何千年の夏休み


部屋へ戻って改めて時間を確認すると短針は3を指そうとしていた。


本来ならまだ眠くないんだけど、今日は随分歩いたりして疲れたから何となく瞼が重かった。


隣室へ移ると既に布団は敷かれていた。


広い和室にぽつんと二つだけ並べられた真っ白の布団。


村長は女性達の手伝いをしているらしい。


「…夕、今日はもう疲れただろ?」


「…ん…まぁね。」


目を擦る。

「僕も久しぶりに疲れたよ。」


ははっと声を漏らして苦く笑う兄の顔を見る。


「…大人の話は疲れそう…」


「…まあ…ね。…夕もそのうち慣れるよ。」


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