可愛いって言うな!! 短編
オレの考えてることが分からないのか、雪は首を傾げる。
雪はオレより小さい。
だから上目使いでオレを見る。
それがまたイライラする。
「蒼ちゃんって可愛いよねぇ」
ニコッと目を細めて笑う雪。
まただ、こうやってオレをからかう…。
二重の大きな瞳にフワッとした髪の毛。
この前触ってみたらフワフワしてて、サラサラだった。
身長は162センチ。
オレの身長は167センチだ。
可愛いのはこいつのほうなのに…。
「蒼ちゃん?」
「ちゃん付けすんな」
雪にそう告げてオレは教室に戻った。