可愛いって言うな!! 短編
「あっ!猫だ!可愛い~」
猫を見つけた雪は猫に近づいて行く。
猫…か。
雪は猫みたいだ…。
かわいくて、気分屋でオレの気持ちなんか無視する。
「蒼ちゃんってさ、猫みたいだよね…」
猫とじゃれあう雪。
「それは雪だろ」
「そう?蒼ちゃんだよ、いつもボクの思い通りにいかないし、ボクが言った言葉も信じてないでしょ?」
可愛いとか…好きってことか?
「そりゃ、信じられないよ…」
「蒼ちゃんは気づいてないだけで、すっごく可愛いよ、いつもクラブ頑張ってるし、綺麗好きなところは女の子っぽいし、赤くなったり笑ったりしたら可愛いよ」
「ただのお世辞だろ?」
「そう思う?まぁ、どう受け取るのも蒼ちゃん次第だしね」
雪は猫を逃がすとオレの横に座る。
「だけどね、これだけは覚えといて、お世辞でもボクは可愛いなんて言わないよ」
そう言うと雪はどこかへ行ってしまった。