可愛いって言うな!! 短編
怒ったのか?
オレ酷いこと言ったのかもしれない。
でも明日になれば来るよな。
そう思って、オレは謝りに行かなかった。
だけど2日たっても雪は来ない。
あいつ熱でもだしたのか?
それとも家族旅行か?
オレ、いつの間にかあいつといるのが当たり前になってたんだな…。
いいじゃん、あいつが来なくてせいせいしてる。
あいつに振り回されることもない。
「蒼、次移動だよ?」
「おう」
教科書とノートを持って理科室に向かう。
『蒼ちゃん!』
えっ?
一瞬雪の声が聞こえてオレは振り返る。
誰もいない。
オレどうかしたのか?
なんなんだよ…これ…。
こんなの初めてだ。
っ…ムカつく…。
「悪い、これ持って行っといて!」
オレは友達に教科書を預けて雪の教室まで走った。