可愛いって言うな!! 短編
「雪なんか…てめぇなんか大嫌いだ!オレをからかって楽しんで、飽きたらポイかよ!オレはお前のせいで苦しくて痛くてモヤモヤしてわけ分かんなくて…なのに…てめぇは呑気に女子と話して…オレは…オレは…っ…嫌いだ、大嫌いだお前なんか!!」
オレはそう言うと走って教室を出た。
「蒼ちゃん!!」
大嫌いなはずなのに、なんで涙がでるんだよ…。なんで苦しいんだよ…。
なんで…。
なんで…。
ドテッ
「いてっ!!」
石に躓いてオレはこけた。
オレは起き上がって汚れをはらった。
いってぇ…。
怪我したところよりも胸が痛い。
「ニャー…」
猫?
猫なんか嫌いだ…。
「ホント、猫みたいな奴だ…気分屋で…オレの気持ちなんか無視して…」
女子と話してるあいつの顔…楽しそうだったな…。
オレはしゃがんで猫を撫でる。
「なぁ、こんなに胸が痛くて苦しいのってなんなんだろうな…」
「恋でしょ」
は?
振り向くと怒ったような顔をした雪が立っている。
オレは雪を見上げた。