桜花びら
優志
はぁ~・・・今日はなんだか大変だったなぁ・・・
放課になると質問攻め・・・。
宿題学校でやってしまおうと思ったのに出来なかったよ・・。
今日は帰って寝よう。
そう思って私は誰もいなくなった教室で一人帰りの準備をする。
他の皆はとっくに居なくなった。
騒ぎすぎて先生に怒られて皆帰って行ったのだ。
「よしっ。さて・・・かえろー!桜行こう?」
なんだかもう桜がいることになれた。
たった少しの時間なのに。
机に椅子をしまって電気を消し帰ろうとする。
するとそこに大きな声が響く。
ビクッ。
ドア静かに閉めようよ。・・と思い振り返るとクラスの人気者が居た。
イケメン伊川 優志
うわぁ・・・近くで見ると初めてだ。
カッコいいなぁ・・・。
じっと見ていると優志くんがこちらに気がつく。
「えっと・・・美代?」
「そ、そうよ」
覚えててくれたんですね!
嬉しいですっ・・・。
・・・っておい。私なに嬉しいとか言ってるんだ。
別に優志君はカッコいいだけじゃないか。
顔にだまされてはいけない!
「お前さ・・・変わったよな。」
「・・・それって誉めてるの?」
「・・・別に。俺はさ・・・いやなんでもない。」
「いいかけてやめないでよね!!」
何を言おうとしたのか分からない。
気になった。
どうしても聞きたくて何回かねばった。
すると優志くんはため息をついて一言。
「俺は・・前のお前でもよかった・・・と思う。」
「えぇっ・・・?」
え、えぇぇぇぇっ!?
それって・・・前の私でも十分魅力的だったってことかな?
どういうことだろ。
これ以上問い詰めるのもどうかと思ってこれ以上聞くのはやめた。
初めてだな・・・
人にこういうこと言われるの。
いや、今の外見だから初めて言われることなんだけど・・・。
なんか初めてだ。
なーんだ。優志君は顔だけじゃなかった。
性格もいいんだね。
ごめん優志くん。
それからだった。私が優志君を意識し始めたのは。