いわば、勿体無い
「おーい、全員集まったみたいだから、そろそろペア決めするけどー!とりあえずくじで決めるけど、「こいつとなりたい」みたいのあれば先に言えー!あ、わかってると思うけど男女ペアな!」




今日の肝試しを企画した男子がその場に居た皆に声をかけた。



香坂さんの視線を辿れば相変わらずそこには陽ちゃんが居て。



きっと私が仕組む程でも無いんだろうな、とわかってしまう。



それでも、こんな大勢の前で陽ちゃんが自分から香坂さんを誘えるわけは無いし、香坂さんも陽ちゃんを見てるものの、声を出しそうな雰囲気も無い。





…本当。何やってんだろ、私。





大きく溜息を吐いて、右手を挙げた。
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