いわば、勿体無い
少しの沈黙が続き、ポツリと陽ちゃんが言葉を落とした。




「…俺さぁ、」



「え?」



「昨日緊張して寝れなくてさぁ。今日何話すかとか、色々シミュレーションしてたわけ」



「…うん」




その言葉が凄く胸に突き刺さって。



どうしてこんなに辛いのに、この気持ちを続けていかなきゃいけないんだろうとか、どうして「好き」の感情をなくしてしまえないんだろうかと思いたくなる。




「…けどさ、俺気付いたんだよね」



「うん?」




見上げた陽ちゃんはどこか清々した様に笑っていて。




疑問を向ければ陽ちゃんは笑いながら私に告げた。
< 17 / 22 >

この作品をシェア

pagetop