ゆめ

話しそびれた…。



話さないでいるわけにはいかないけれど、この時は、健太が真実を知るのが延びて、ちょっとホッとしてる気持ちもあった。





その夜、またあの夢を見た。

自分の子供が出てくる夢…

どういうわけか、10代の頃からよく見ている。

こうなってしまうという皮肉なのだろうか。


現実の私は、子供を産めない…



その朝は、夢から覚めて、とても悲しくなり…



「……っ」

「…どうしたの?」

「…なんでもないよっ。さ、朝ご飯作らなきゃ!」




このままで通せないけど、もう少し現実から逃げていたい。


話したら…


どうなってしまうのか恐かった…。



「そういえば、ゆうべ何か言おうとしなかった?何?」

「あ…何だっけ!?忘れちゃった!」

「…おまえ本当忘れっぽいな」

「ははは、…夜までには思い出すわ!」





忘れられるものなら、本当に忘れたい…。



忘れたくて、遊びに出た。
昼間ひとりで家に居ると気がヘンになりそうで…



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