ゆめ

けれど、外に出て目に入るのは親子連れや孫を連れたおじいちゃんおばあちゃん…




近づかないで…



こっち来ないで…!





なんだか異常に目に入ってきた。
今まではこんなことなかったのに…





気分はひとつも晴れず、なるべく人のいない場所を探した。





海…





夏には賑やかな海も、真冬の今は誰もいない。


ここなら何も私を責めるものはない。



砂浜でひなたぼっこをして、ボーっと1日過ごした。







暖かかった太陽も、もう沈んでいく…



そろそろ帰らなきゃ…

そして、話さなきゃ…



「ママ、早く帰ろうよー」





…誰もいないはずなのに、子供の声が聞こえた。



「ママー、おなかすいたー」





また…




「…!?」



何か、スカートを引っ張られるような感覚があり、下を見てみると、そこに小さな女の子がいた。





「ねぇ、ねーえ」



< 4 / 25 >

この作品をシェア

pagetop