ナルシー少年☆蛍斗くん
嫉妬する〜兄ちゃんと出店〜
どんなに探しても見つからなかった池田兄ちゃんは案外すんなりと見つかった。
何やら子供用のビニールプールの前に座り込み、真剣な眼差(マナザ)しでその中を覗(ノゾ)いている。
「おいッ!!」
私は蛍斗の手を無理矢理離し、池田兄ちゃんに駆け寄った。
「兄ちゃんッ!!」
「・・・?」
「兄ちゃん?」
「・・・もしかして・・・矢恵?」
「え゛〜!?」
「だよね?」
「ひどッ!!」
久しぶりの再会だというのに、キョトンとして、まるで私のことを忘れていたかのような反応に頬を膨らまかせて怒る。
もう十年以上の付き合いだというのに、あんまりだ。
「ごめん!!何か雰囲気違ってたから最初全然わかんなかった。」
兄ちゃんは立ち上がり、申し訳なさそうな顔で私の頭に手を乗せて謝る。
そして"キレイになったね"と付け加えた。
私って池田兄ちゃんがわかんなくなるくらい変わったんだ。
全て蛍斗の腕だけど、素直に嬉しい。
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