ナルシー少年☆蛍斗くん


「これから、もっとキレイになっていくんだろうね。」

頭に置いていた手を私の頬に移行させ、ニッコリと微笑んだ。

優しく下がった目尻も、その目の下にある涙ボクロも、這(ハ)う長い指も全てが色っぽい。

普通の女の子なら顔を真っ赤にさせ兄ちゃんを魅入(ミイ)ってしまうに違いない。

だけど、私は兄ちゃんの殺し文句さらりと流し、微笑み返す。

兄ちゃんはドが付くほどの天然&女殺しだから、いちいち反応してたら身が持たないのだ。

これまでの付き合いで、嫌というほど学んでいた。

兄ちゃんに悩殺(ノウサツ)された女性は数知れない。


無自覚だと言うから尚(ナオ)さら恐ろしい。



ん〜

いや、悩殺(ノウサツ)スマイルと殺し文句に慣れてしまった自分が1番恐ろしいかも・・・


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