ナルシー少年☆蛍斗くん
「蛍斗もいるよ?」
「蛍斗!?」
一向(イッコウ)に蛍斗がやって来ないから私から兄ちゃんに蛍斗の存在を知らせる。
すると、すぐに少し離れた場所にいる蛍斗を見つけて、兄ちゃんはおいでおいでと手を振った。
それを見た蛍斗はムスッとした表情で近づいてきた。
兄ちゃんにまで当たらなくていいのに!!
まだ私に腹を立てているのだろう。
あんなに慕(シタ)っていたのに、よくもそんな態度が取れるというものだ。
「兄ちゃん、今日蛍斗の機嫌が悪いけど気にしないでね?」
すかさずフォローを入れてしまう私もどうかしてる。
あんなヤツ兄ちゃんに嫌われようが、どうしようが私には関係ないのに。
自業自得(ジゴウジトク)なのに。
しっかり考える前に口から出てしまったんだ。
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