ナルシー少年☆蛍斗くん


「ん〜、もしかして矢恵絡みでしょ?」

「え?」


何でわかるんだろ。
喧嘩したなんて一言も言ってないのに。

兄ちゃんの口が面白くなさそうに尖(トガ)る。


「いつもだよね。蛍斗が機嫌悪い時って。」


そうだっけ?

兄ちゃんの前ではいつも機嫌が良いイメージしかないんだけどな・・・


不思議そうな私に兄ちゃんは頭をコツンと叩いた。

"矢恵がいない時にいつも俺がとばっちりを受けてたんだから"と遠い目をしてそう言ったのだ。

え〜?
蛍斗が兄ちゃんに!?
そんな馬鹿な。

でもその顔が嘘(ウソ)を言ってるように見えなくて・・・

私は苦笑いしかできない。
でも・・・

へー

へー

へーー

蛍斗に振り回されていたのは私だけじゃなかったんだ。

少しだけ気持ちが軽くなったような気がした。

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