ナルシー少年☆蛍斗くん


「まさか矢恵が・・・」

「だから違うって兄ちゃん!!」


てか動揺しすぎ!!

八の字に回りだす兄ちゃんをなんとか抑える。


桃汰くんなんか、ただの接触とかしか思ってないんだよ?

こっちが馬鹿みたいじゃない。

しかも本当に何もなかったし。


「蛍斗も兄ちゃんも大袈裟(オオゲサ)なのよ。たかがキスでしょ?」


そう、キスなんてただ唇が重なるだけ。

手を繋ぐのとなんらかわりないのさ。


桃汰くんの入れ知恵がすっかり私まで浸透(シントウ)してしまったようだ。



蛍斗と兄ちゃんが唖然(アゼン)とした表情で見てくる。


「「たかが、キス・・・?」」

仲良く声まで揃(ソロ)っちゃってる。


それに、私が誰とキスしようが蛍斗や兄ちゃんには関係ない。

私の勝手なのだ。


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