ナルシー少年☆蛍斗くん


だけど兄弟同然にして育った私を二人が放っておくはずもなくて・・・


「蛍斗はそこら辺の男って言ったけど違うんだろ?」

「当たり前じゃない!!」


ズレた会話を戻そうと兄ちゃんが話しを整理し始めた。
意外と兄ちゃんはしっかりしている。


「矢恵はその男と学祭を回る約束をしていて、二人で回ったと、」


「うん。」

「友達?」

「そうだけど。」


「へぇ。」

蛍斗が突然話に割り込んできた。

眉を上げ、嫌味たっぷりに言い放つ。

「へぇ〜タヌキは友達とは出来るんだ?」


ムカつく〜!!

"友達とは"ってどういう意味よ!!

やりそうになったけど、やってないもん!!

肩に手を置き"まぁまぁ"と宥(ナダ)める兄ちゃん。

だがそれを振り払い蛍斗は私の耳元まで口を寄せる。
そして兄ちゃんに聞こえないように囁(ササヤ)いた。


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