ナルシー少年☆蛍斗くん





"俺にはあんなに拒否(キョヒ)ってたのにな"



トゲのある声が私に刺(サ)さる。

どういうこと?


え・・・?

今朝のアレはやっぱりキスしようとしてたんだ。

なんで?

どうして・・・?

どんなに突っぱねても近づいた蛍斗。

あの時はこんな顔してなかった。

笑ってたのに。



「なんであんな事したか分かるか?」

少し離れて通常の声に戻った蛍斗。

見つめながら、私はゆっくりと首に振った。

わかるはずがないよ。



「俺の事、好きなんだって思ってたから。」

「はっ⁉」

「こんなにいつもそばにいて惚れないわけないって決めつけてた。」

「・・・」

絶句してしまい言葉が出ない。

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