ナルシー少年☆蛍斗くん



「もしもし…」


「滝沢?」


相手は桃汰くんからだった。


「ごめんだけど、直ぐに来てほしい。」

「え?」


落ち着きなく早口で話す桃汰くん。

いきなり来てほしいとは、どういうことだろう。



「どうかしたの?」


「ちょっと亜杜が混乱してて、俺には手がつけれなくて。」


「え?亜杜がッ?」


「あぁ、なるべく早く来てほしい。」


焦った様子に私も不安になってきた。


亜杜、どうしたんだろう。
混乱って。
でも行ったところで、今日友達になったばかりの私に何か出来るのだろうか?


「大学の近くの花丘公園のベンチにいるから!!」


返事を返す間もなく電話が切れた。


亜杜…


行かなきゃ!!




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