ナルシー少年☆蛍斗くん
「亜杜、なんかあったの?」
心配そうに私を見る蛍斗。
あっ、蛍斗と亜杜は付き合ってるんだっけ?
この場合、蛍斗も連れて行ったほうがいいのだろうか?
だけど、私は連れて行かないほうがいいような気がして、顔を俯ける。
「行ってきなよ。俺は先に帰って待ってるから。」
すぐに理解した蛍斗はそう言ってくれる。
その言葉は嬉しいけど、
え?
何故に?
蛍斗は待つ気でいるようだ。
私の部屋で?
亜杜という存在がいながら?
今朝の事は私が知らなかったのだからノーカウントとして、知ってしまった以上入れる訳にはいかない。
「私の部屋に入らないでね!!」
「今はそんな事言ってる場合じゃないだろ?」
そうだった!
亜杜が…
私は奴に背を向けて走り出した。
奴の寂しげな顔に後ろ髪引かれながらも、今はそうするしかなかった。
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