ナルシー少年☆蛍斗くん
好きじゃなきゃダメ…
なんで?
どうして?
誰が決めたのよ!!
「亜杜ッ!!」
気づいた時には名前を呼んでいた。
亜杜は私を見て涙の溜まった瞳を大きく見開く。
「どういうこと?」
「矢恵…ちゃん」
静かな問いかけにポタポタと涙が落ちる。
亜杜が泣いている理由がわからない。
なんで今日友達になったばかりの子にそんなこと言われなきゃいけないの?
亜杜に蛍斗と私の何がわかるっていうの?
だが私の問いには答えず、
亜杜はさらに続けた。
「矢恵ちゃんッ!!あのキスは桃汰にそそのかされてやってしまったんだよね?」
「え?」
「桃汰となんて付き合ってないんでしょ?」
願い込むような真剣な視線に私は言葉に詰まる。
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