ナルシー少年☆蛍斗くん


亜杜は一時そうしていたが、思い出したように立ち上がった。


「蛍斗は知ってるの?」


急に泣きたい気分になる。

あんな大嘘ついてしまったんだ。
もう取り返すことができるのかもわからない。


「け、蛍斗には嘘ついちゃった。」


「「え゛ぇ!?」」

亜杜と桃汰くんの声が重なる。



「桃汰くんと私、付き合ってることになっちゃってる…」


「はぁ?」

これは桃汰くん。

「どうして?」


「蛍斗が私が好きじゃない人とキスするはずがないって言うから、つい…」


"馬鹿だなぁ"と言う桃汰くんを私は睨む。

しょうがないじゃないか。



「蛍斗、矢恵ちゃんのこと信じてるのね。」



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