ナルシー少年☆蛍斗くん
「亜杜、矢恵ちゃんがどっちを選んでもなんにも言わない。」
私は突き放されたみたいに感じて、不安げな表情で亜杜を見た。
「協力するね。」
少し微笑む優しい亜杜に、とうとう涙が落ちてしまう。
「私、桃汰くんの案にする。」
「うん。」
「わ、私も、蛍斗が傍にいないのに慣れなきゃ。」
「うん。」
「嘘は良くないけど、そうしないといけないような気がする。」
「うん。」
亜杜がそっと私を抱きしめた。
「うう゛ぅ…」
いつまでも傍にいれないんだから…
なんだか悲しかった。
寂しかった。
だけど気づいてしまったからには
そうするしか
ないよ。
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