ナルシー少年☆蛍斗くん


どうしようか迷っていると

「風邪引くぞ?」


蛍斗の顔を見上げる間もなく、そう言って窓を閉じてしまう。

いつもの蛍斗なら"早く入っておいで"って言ってくれるのに。

冷たい。


あぁ、


また中に入るタイミングを逃してしまったし。

もう少しで入れそうだったのに。


そう思ったその時、

ガチャ…

ゆっくりと玄関の扉が開く。


「蛍斗…」



いつもの蛍斗だ。
冷たくなんてない。



「みっちーがココア作ってくれるから。早く入れって。」


促すように触れる蛍斗の手はとても温かかった。



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