ナルシー少年☆蛍斗くん


通された場所はやっぱり私の部屋。

ダメだって言ったのに。


蛍斗はまたすぐに下に行ったが、溢さないように恐る恐るココアを運んできた。

丸テーブルにココアを置き、

蛍斗が部屋の扉を閉めれば


私と蛍斗の二人きり。




しかも向かい合わせになるように座るアイツ。


どうにも、落ち着かなくて目の前のココアに手を伸ばす。


温かくて甘い、いい薫(カオ)りがした。



外の寒さのせいで冷えきった身体に染み渡る。


ホッと一息ついて

これから蛍斗に話す事を頭の中で整理する。

そして、やっと蛍斗に顔を向けた。




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