ナルシー少年☆蛍斗くん



私を見る蛍斗は特に変わりはないが、普段うるさいせいか静かすぎて居心地が悪い。


話しずらい空気だが、3人で決めたシナリオも話さないといけないから口を開いた。

「亜杜のことなんだけど、」

蛍斗を私の部屋に長居させるわけにもいかないし。



「ちょっと混乱してただけみたい。」


「混乱?」

ここまでは本当。


「亜杜、私のこと気に入ってくれてたらしくてさ、大嫌いな桃汰くんと付き合ってるのを知って、混乱したんだって。」


これは嘘。
半分ホントでもう半分はウソの3人で決めたシナリオ。

「だから、もう大丈夫だよ。亜杜も納得して落ち着いたから。」


なんも心配ないって感じで笑ってみせる。

だけどちゃんと笑えてるかな。


「これだけ、かな。」

もう、

この話はおしまい。


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