ナルシー少年☆蛍斗くん


唇には熱くて、柔らかな感触。

私の顔を包むように添えられた大きな手。

状況を把握した私は目を見開き全身は燃えるように熱くなる。



頭に手を回し口づけを交わしたままそっと押し倒された。
私は突然すぎて抵抗することすら忘れてしまっていた。

熱くて、熱くて、

少しだけ離れ視界には私を切なげに見つめる蛍斗の顔が広がる。

なんで?
どうして?

やっと思考も追いついてきた。

再び蛍斗の顔が近づいた時


「や、やめてッ!!」


私の甲高い声が響きわたった。


ハッとした様子で飛び退く。

手の甲で口元を隠し俯いた蛍斗の表情は前髪で隠れて見えない。




「ごめん。」


そう呟く声も震えていて。



私は横たわったまま両手で顔を覆う。
蛍斗はそうしてる間に部屋を出て行った。


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