ナルシー少年☆蛍斗くん
徐々に嬉しさが込み上げてくる。
ヤツから『ごめん』と言う言葉を聞けるとは思ってなかったからだ。
いつものように押し切られると思っていた。
寛大になった心はすんなりと許しの言葉が紡がれる。
「許してやってもいいけど?」
「良かった・・・」
何気なく離れようとする私をヤツがさらに引き寄せ捕らえる。
切れ長の瞳がキラリと光った。
蛇に睨まれた蛙になった気分だし。
「よっしゃ!」
そしてギュッと嬉しそうに抱き着いてきた。
「ちょっと!!」
さっきとは違うじゃれつくかのような抱き着き方に内心ホッとするも、早く引っぺがえしたい。
これ以上ヤツの不可解な行動に振り回されるわけにはいかない。
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