ナルシー少年☆蛍斗くん



「離れろッ!!」

「イヤだ!!」


奴はなかなか離れない。


「離れなさいッ!!!!」

「今ので俺のことさらに好きになったろ?」

「は!?」

「絶対惚れたな!!」


ナルシストめ〜
こんな奴好きになるもんか‼


「もぉ〜、分かったから離れろ!!」

「嫌だ。分かってねーじゃん。好きって言っちゃえよ‼」


ブンブン手を振り回す。
ヤツも強くしがみつく。
私はこんなに必死なのに奴は物凄く楽しそうだ。


「離れろぉ〜」

「何でー」


何でって・・・


「お腹空いて死にそうだから!!」

「ふ~ん。」

「・・・・・・」


私に意地悪な微笑みを向けながらそっと離す。

「しょうがないなぁ。」

って。


にしても下手くそな嘘をついてしまった。


暴れたせいか心臓がドキドキと波打つ。

今日は彼に体力を費やしすぎたようだ。


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