ナルシー少年☆蛍斗くん


奴の教室には2、3分で着いた。
だが奴は見当たらない。


誰かに聞いてみるかぁ。


私は廊下近くの席の大人しそうな女の子に尋ねる。


「あのぉ。月山蛍斗くんいますか?」


訝し気な顔で見られる。
あまり歓迎されていないことが表情で伝わった。


「もしかして蛍斗くんファンですか?」




「「いえ」そうゆうのだったら教えませんッ!!」

はい!?


いきなりそう言われるとは思ってなかった私は慌ててしまう。


「ち、違いまッ」
「蛍斗くんは迷惑してるんです!!」

濡れ衣なのに、女の子は私の話しを聞こうともしない。


「やめて貰えませんか?もう二度と来ないで!!」

彼女はそうまくし立て、去っていく。
私はその場から数分は動くことができなかった。



え〜っと

彼女は蛍斗のことが好きなのか?
それとも私は聞く人を間違えたのか???



「4組の人達はみんなそんな感じだよ。月山を守ってるんだってさ。」

途方に暮れていると、さっきの私達を見ていたらしい3組の男子が廊下の壁側に凭(モタ)れながら話しかけてきた。

「へ!?そうなの???」

「俺も前あの攻撃を受けたよ。月山に用があっただけなのにさぁ。」


「大変だったね・・・」


「おぅ。」

「でも、男の子にも言うの???あれ。」

男の子は眉をしかめて話す。

「月山は男には絡まれるらしい。嫉妬で。そういえば、君は月山のファン???」


「絶対に違う!!」


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