ナルシー少年☆蛍斗くん


私と男の子は友達になった。

彼の名前は、水谷桃汰(ミズタニトウタ)。
笑うと片笑窪ができて、何か企んだような弦月形の大きな瞳が印象的だ。


休み時間も後少しだが、私は桃汰くんと話しをしていた。


「幼なじみかぁ。お前も大変だなぁ。」

「そうなのよぅ。今回は、学校での奴と、家での奴は全く違うらしいから、見に来たんだ!!できれば素顔を暴こうと思って・・・」

「アイツの王子様、キャラだったのか・・・。面白そうだな。」

「でしょ?」


桃汰くんの瞳がこれまでにないくらいキラキラと輝いていて、私まで楽しくなってきた。


「昼休み、また月山に会いにくるだろ?帰り3組にも寄ってけ。どうなったか聞かせろよ?」


キーンコーンカーンコーン

やばい。チャイムが鳴っている。

「わ、分かった。じゃあ、昼休みに!!」

片手を上げ、急いで教室に戻る。
ギリギリセーフ。


授業なんて頭に入らなかった。


奴は私の前でも王子様になるだろうか?

昼休みがホント待ち遠しい。


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