ナルシー少年☆蛍斗くん


「怒鳴り込んでごめん。」


これは1番謝りたかったこと。
すごい迷惑かけただろうから。



「・・・蛍斗・・・・」

「・・・・・・?」


「・・・私と友達だってこと知られるの恥ずかしいよね。ホントごめん。なんも考えてなかった。」

「はっ?えっ⁉」

蛍斗が慌てた様子で私を見る。
口を挟もうとするがそれを私が許さない。
被せるように言葉がついて出る。


「会いに行っちゃ駄目だったんだ。私と幼なじみってこと・・・嫌だったんだ。知られたくなかったんだ。それなのに・・・私。」


口から勝手にスルスルと言葉が出てくる。

知らない人の振りをされることが、無視されることがこんなに悲しいなんて思ってもみなかった。



ふとついて出てきたその言葉が自分でも気づけなかった不安だとハッと気づく。


「ごめん・・・」



幼なじみになったのもお隣りという偶然。

母さんが奴を救い出したのは必然だったとしても、蛍斗に私を幼なじみとして、友人として認められている確信なんてどこにもない。

勝手に友達気取ってなんて惨めなんだろう。

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