ナルシー少年☆蛍斗くん


「それより、蛍斗って学校では王子様系なんだね?いつもと違うからびっくりした。」


もう考えたくなくて無理矢理話題を変え話す。

「矢恵?」

なにか言いたそうに名前を呼ぶ奴の顔をなるべく見ないようにするのに、視界の端ではしっかりと奴を捉(トラ)えていた。


「矢恵・・・?」

「分かってる!!もう4組には行かない。関わらない!!」


言葉に出してしまったら、堪らなく寂しい気持ちになった。

今まで学校で奴に会えなくても、全然寂しくなかった。
むしろ嬉しかった。
だけどそれは、あんな扱いを受けるとは思っていなかったからだ。

奴に会っても煩いくらい構ってくると思っていたからなんだ。



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