ナルシー少年☆蛍斗くん
もう、そろそろ行かなきゃいけない。
俺は最後にもう一度だけ額にキスをして部屋を出る。
虚(ムナ)しいだけだけど、そうしなきゃ矢恵から離れる踏ん切りがつかなかった。
多分もう戻れない。
きっと依存、執着ってヤツなんだろう。
小さい頃からずっと一緒だった。
今やアイツの初めてが俺と一緒じゃなきゃ気が済まない。
初めてのキス。
初めてのお泊まり。
初めての…
俺は俺が一番のはずなのに、いつの間にかアイツが一番になろうとしている。
矢恵の中の一番が俺じゃなかったら、なんて考えられない。
ダメになってしまいそうで
怖いんだ。
.