ナルシー少年☆蛍斗くん
「ねぇねぇ、いつになったらライオンちゃんと付き合うの?」
亜杜の最近の関心は矢恵のことばかりだ。
先日、矢恵が乗り込んで来てから俺たちが幼なじみってことは知れわたっている。
そしてその時俺は、矢恵の関係は恋仲なんてもんじゃなく、腐れ縁だとも公表した。
だが、亜杜の目を誤魔化すことはできないみたいで、それからしつこいのなんのって。
「ライオンちゃん絶対蛍斗のこと好きだよ!」
知ってるっつーの。
「大事にしてあげなきゃ!」
充分してる。
これ以上どうしろと?
「女の子に言わせちゃダメだよ?」
ま、まさか、俺から告れと?
それは気にくわないな。
「ライオンちゃんには私みたいな思いはさせないで?」
ふと顔をあげると泣きそうな亜杜に面食らう。
そういえば、辛い恋をしてたって言ってたっけ?
前に少しだけ話してくれたことを思い出した。