ナルシー少年☆蛍斗くん



矢恵のことを思ってるからこそのことなんだ、
自分自身にそう言い聞かせる。


辛いときもある。

一番心地のよい関係に俺は甘えてるだけなのかもしれない。


だけどそれを終らせるなんてさせない。



なにがあっても

絶対に。





「蛍斗くん。どうしたの?怖い顔してるよ?」


「なんでもないよ。次の授業なんだっけ?」

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矢恵のいない場所は嘘で塗り固めた世界。

人気者の蛍斗くんはもう彼女なしで生きてはいけない。





それに気づいたときには後の祭り。



なんてあってはならないんだ。



だが時に時間は残酷なほどに取り返しのつかないものだとはうら若い蛍斗くんが知る由もなかった。

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