ナルシー少年☆蛍斗くん


――――‐‐‐


「矢恵〜?」



早朝5時。
下の部屋からお母さんの声が聞こえてくる。

私はまだ眠たくて布団の中に潜り逃れる。

きっとくだらないことだろうから。



ドンドンドン!!

今度は部屋の扉を叩く音がした。


「いつまで寝てるのよ!!」

もぉ、五月蝿いな…
いつまでって、まだ5時なのに!!


「矢恵、起きなさい!!」


絶対起きてやるもんか。


「みっちー。タヌキは俺に任せろ!!」

は?
なんで蛍斗の声?


ガチャ


「起きろ!!」


「ちょっ、勝手に入らないで!!」


私は飛び起きて奴を睨(ニラ)む。


乙女の寝起きにお邪魔するなんて言語道断!!

蛍斗のせいで眠気なんて吹っ飛んだわ。


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