ナルシー少年☆蛍斗くん


てな感じで私は今ここにいる。


最初こそ嫌々だったが新鮮な景色に美味しい空気に魅了され、ルンルン気分で旅館を目指していた。


「まぁッ!!アナタ見て?とってもキレイだわぁ~」

お父さんの腕に引っ付きいつも以上に仲のよろしいお二人。
ここは涼しいけど見ていて暑苦しいわ。


「何、羨ましそうに見てんだよ。」

蛍斗のヤツ、うっさいなー
私は、全く真逆のこと考えてるのに!



私が蛍斗を睨むと、手に何かが当たりスルリと指と指との間に滑りこむ。


これって!


「両側でイチャイチャしないでくれる?」

呆れた様子の裕。


馬鹿蛍斗め!!

恋人繋ぎなんてするから裕に呆れられた!!
イチャイチャなんかじゃないのに~



「ちょっと離してよ!」

「無理~」

「離さないなら、夕飯抜き!」

「はぁ?」

「いいじゃない、お母さんもしてもらいたいくらいだわ~?」

「「えッ!?」」


賑やかな家族の声が響く。
それはなんとも和やかな風景だが

「なんで僕の家族はこうも騒がしいんだよ。」


裕1人、渋い顔をしていたのだった。


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