ナルシー少年☆蛍斗くん

完璧主義〜池田兄ちゃん〜



「あぁッ!!なんて美しいんだ。」

今日も鏡を見ている。
なんだか芝居がかった口調で無性に殴りたくなる。
ふざけているのか、本気なのかたまに分からない。

「ね〜ぇ。蛍斗!」

「肌もツルツルだ。この前温泉行ったおかげだな!!そう思うだろ?タヌキ。」

「・・・・・・。」

「無視すんな!!」


蛍斗もしたのに理不尽な物言いだ。


「・・・・・・。」

「分かった・・・。お前の用件はなんだ。」

「明日池田兄ちゃんの大学祭だよ?遊びにおいでって。蛍斗は行く?」

「人込みかぁ。俺、モテるからヤバいだろうなぁ。」

「・・・来なくていいよ。」

「い、いや。行く。」


最初からそう言えばいいのに。

私は明日池田兄ちゃんに会えるから機嫌がいい。
ちょっとしか奴にイライラしない。
本当に楽しみにしているから。

池田兄ちゃんとは半年ぶり。
兄ちゃんはバイトもしてるから忙しくて中々会えないんだ。

「タヌキ!!なにウキウキしてんだ。」

「兄ちゃんに会えるから♪」

奴は渋い顔をしている。
兄ちゃんに会えるのに。
あんなに懐いてたのに、どうしたんだろう。


「嬉しくないの?久しぶりに会えるんだよ???」

「嬉しいけど・・・」

奴はじっと見てくる。


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