ナルシー少年☆蛍斗くん
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次の日はすぐにやってきた。
「どうしよう。似合わないかなぁ。別なのにしようかなぁ・・・」
まだ着替え終わってない。
長い時間一人迷っていた。
トン、トン、トン
トン、トン、トン
奴だろう。あいからわず早い到着だ。
今から1時間後の約束だったはずなのに。
「タ~ヌキ~ぃ準備できたかぁ???」
「今着替えてる!!てか来るの早いッ!!」
「1時間前くらいには準備終わらせとけよ。非常識だなぁ。」
約束の1時間も前に来る奴も非常識だと思うが・・・
まぁ、いつもの事だ。
「・・・・・・。どれ着ようか迷ってんの!!」
「ふーん、なんだよ。今日だけやけに時間かかってるじゃん・・・」
そうだ。私は今まで奴を待たせたことなかった。
奴の性格を知っていたし、待たせるのは好きじゃない。
だが手間取る原因はわかりきっている。
私は新しいジャンルの服に挑戦しようとしていたのだ。
清楚系か可愛い系。
これまではシンプルでカジュアルな服ばかり着ていたから、袖を通すのも気恥ずかしい。
着ることなくコツコツと集めてきたそれらを並べてみるも、着づらくてしょうがない。
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