ナルシー少年☆蛍斗くん
「おーい。まだかー。早くしろー。」
そろそろ奴もうるさい。
仕方なく、だいたい決めていた可愛い服を着てみた。
どうなんだろう。
やはり似合わないのだろうか。鏡を見てみるが自分ではよく分からない。
「入っていいよ。」
「やっとか・・・」
ガチャ
「・・・げっ!!なんだ!?」
私を見るなり、びっくりして数歩さがる。
そんなに酷いだろうか?
「どう???」
「えらく変えたなー。・・・それじゃあ顔とアンバランスだ。似合わない。」
「・・・・・・。」
ちょっと言い過ぎじゃないですか?
「まぁ、キリッとした顔してんだから、こっちの服の方が似合うだろ。」
そう言って、奴は清楚な感じに見繕ってくれた。
奴のセンスには敵わない。
私が清楚で上品な女の子に見えるくらいなんだから。
奴の方も抜かりはなく、髪はワックスで流し、服の方もオシャレだ。正直、カッコイイ。
「すげぇ、気の強そうなお嬢みたいだな。・・・あっ、今日はしゃべったらダメだぞ!!」
「なんで。」
「野蛮人さが滲み出て・・・」
「う、うるさい!!」
ほんとに癪に障る奴だ。
『ありがとう』って言葉も引っ込んでしまった。
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