ナルシー少年☆蛍斗くん


今までだってそうだったが、奴は何だって出来るんだ。
まだ5分もたってないのに8割は完璧。
後の2割は私の問題だけとなる。


「・・・動くなぁ・・・」

小刻みに動いてしまう私に静かにそう言うと、最初は頬に添えていた手を頭にのせぐいぐい押さえ付けてくる。

だがそんなことでは貧乏揺すりにもちかい体の芯からくる震えは止まらない。



何やってんだ、私!!
と・ま・れ―――っ‼


自分でも必死に止めようとしてるが、全然止まる気配がない。



「おい!!・・・いい加減にしないと怒るぞ。」


奴は少しイライラとした様子だ。



“そんなこと言われたって、止まらないもんはしょうがないでしょッ!!”

そう言いたいのをグッと堪える。


全部蛍斗のせい。
あんなに近くじゃあ慣れている私だって・・・


「はぁ・・・」

奴はとうとうメイクをする手を止めてしまう。


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