ナルシー少年☆蛍斗くん



「ねぇ、あの人四組の?」


「・・・あぁ。」


「近づいてくるよ?」


「・・・・・・。」


おかしい・・・。
蛍斗にしては静か過ぎる。抓っても、叩いても大きな反応をみせない。

それどころか表情はなにか思い悩んでいるような・・・



そうこうしているうちに彼女は私達の前に来ていた。

「蛍斗ぉー!!遅ーい!!!!」



遅い?



「10時の約束だったのに」



約束??



なんだか奴の様子がおかしい理由が分かった気がする。


ちらりと横目で見遣ると奴は相当焦っていた。

返事をかえすことすら忘れてしまっている。


彼女はそんなこと気にともせず隣にいた私に話しかけてきた。


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