ナルシー少年☆蛍斗くん


奴はちょいちょいと見えないように手招きをした。

「た、滝沢さん、ちょっと・・・」


あぁぁぁあああーッ???
今名前呼んだよねー!!

バレたら・・・


「あっ!!ライオンちゃん???ライオンちゃんでしょぉ♪」


ってバレてるじゃん・・・



私はそっと彼女の様子を伺う。

「ち、違います・・・」


「えぇ~。凄いキレイになってて気づかなかったけど絶対ライオンちゃんだよぉ。ね?蛍斗。」

「あ、そうだけど。」


あっさり認めるな―――!!
奴は数分の間にすっかり平常心を取り戻したのか王子様顔で微笑む。
その変貌ぶりといったら、へどがでるわ。



「私、糸敷 亜杜(イトシキ アズ)。この前からライオンちゃんのこと気になってたのぉ。よろしくね!!」

可愛く首を傾げて片手を出してくる。


う〜ん。
亜杜ちゃんとやらは大丈夫なのだろうか。
第一印象は可愛くていい子そうだけど、

四組だから気は抜けない。

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