ナルシー少年☆蛍斗くん


とりあえず出された手を握り、自己紹介をしてみることにした。


「私はライオンこと滝沢矢恵。よ、よろしく・・・」


「矢恵かぁ。ウ゛ゥ〜、どっちかなぁ〜」


「はい?」

亜杜ちゃんの何かを考えるかのように眉間を寄せ、目を細める渋い表情に目が点になる。


「蛍斗ぉ、ライオンちゃんと矢恵っぴと、どっちがいいと思う?」


「どっちでもいいんじゃない?」

「じゃあ交互に呼ぼぉ♪」


可愛い顔して彼女はけっこうなくせ者なのかもしれない。



「ね?矢恵っぴライオンちゃん!!」

「それは交互じゃねぇ!!」


あぁ〜
思わずツッコんでしまった。


もしかしたら、今日というこの日に蛍斗と同じくらい面倒くさく、変な人間に出会ってしまったようだ。


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