ナルシー少年☆蛍斗くん


「よッ♪金曜ぶり。」

軽く手を挙げ私達に笑いかける。


ホント助かりましたよ、桃汰くん。

感謝の眼差しで桃汰くんに向かって拝んだ。


「ブハッ!!何だそれ。」

私の頬っぺたを片手でグニグニ摘みながら大笑いする。

仲良くなってから気づいたんだけど、意外とSなんだよなぁ。


「や、やめてよッ。」


憎めない顔をしてるから、余計に質(タチ)が悪い。


「あっ、そうだ。月山は俺のこと知らないんだっけ?」


私の言葉をスルーして、蛍斗に話しかける。

前言撤回(テッカイ)。
ドSでした。


「あぁ、ごめん。知らない。」

「だよな。俺、水谷 桃汰。よろしくな。」


笑顔で自己紹介する桃汰くんに対し、奴はニコリともしない。


態度はいつものよそ行き王子様なんだけど、どうしてか違和感を覚える。



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