ナルシー少年☆蛍斗くん


ニコニコしてないからかなぁ?


「よろしく。」

奴は優雅な動作で事務的に片手を差し出した。


やっぱり何か変。



「それより、滝沢さん痛がってるよ?」


非難しているような視線を向け、私の頬っぺたから桃汰くんの手を外す。


ほんのちょっとだけ嬉しくなった。

蛍斗は俺様で自己中で最悪だけど、いつだって優しい。


あぁ〜
蛍斗がドSじゃなくて良かったぁ。

史上最悪の人間になるとこだったもん。



桃汰くんは"ごめんごめん"と悪びれた様子もなく、私の頭を撫でる。


それを見つめる蛍斗はやっぱりどこか変だった。



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