ナルシー少年☆蛍斗くん


どうせ別々行動になるんだ。

桃汰くんがつくってくれたチャンス、逃すことはできない。



「私、桃汰くんと約束してたんだ。もう、行くね?」


亜杜には悪いけど、
二人を離すことも
あの場から立ち去ることもできた。



"矢恵!!"


後ろから蛍斗の呼び止める声が聞こえるが、遅いよ。

あんなヤツもう知らないんだから。


人前で初めて私の名前を呼んだことも、気づかないふりをしてやる。




楽しい学園祭はこれからだ。
私と桃汰くんは並んで人混みに入って行った。



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