ナルシー少年☆蛍斗くん


「しかも早く帰れ、二度と来んなって、なんて恩知らずな。」

「・・・凄い嫌われようだね。」

聞いてるうちに気の毒になってきた。

私の怒りがしゅるしゅると小さくなっていく。

なにをしたらそんなに嫌われるんだろう。



「いつから嫌われてるの?」

「ストレートに聞くね。うーん、・・・いつの間にか、かな?」


いつの間にか嫌われるもんなのか?

「怒らせるようなことしたんじゃない?」


「どうだろう?」


腕を組み全く心当たりがないと言う桃汰くんは、もしかしたら乙女心がわかってない類(タグ)いの人間なのだろうか。

それなら納得がいく。


「亜杜のこと大事にしてる?」


「・・・・・・」


首を傾げる桃汰くん。

ドSでも、たまには優しく女の子扱いしてあげないとね?

蛍斗だってしてくれるんだから。


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