ナルシー少年☆蛍斗くん
「あんたねぇ・・・もう、ホントいらつく!!ウザいっ‼」
「ウザいって・・・」
「見惚れてたって???
あ゛〜あんたよりカッコイイ人はいくらだっているわよ!!」
「んぁ?誰だよ。」
ピクリと奴の眉が上がった。
"いないだろ?"っていうようなドヤ顔に益々イライラする。
「例えば・・・池田兄ちゃんのとか?」
「は?」
「カッコイイじゃない!!」
「い、池田兄ちゃん・・・???」
「そうよ。池田兄ちゃん以上に顔よし、性格よしって人はどこ探したって見つからないわよ!!」
「そ、そうだけど・・・」
「まだ分からないの?あんたは負けてるの!!性格に難あり!!!!」
一気にまくし立て、やっと一息つく。
奴の方はというと
まさかの池田兄ちゃんの名前に動揺しているようだ。
池田兄ちゃんとは奴が唯一認めるイケメン。
小さい頃からたくさん一緒に遊んだ、優しくてかっこいい兄ちゃんだ。
名は池田秋夜(イケダシュウヤ)という。
池田兄ちゃんは今、大学2年生。
私達はまだ高校2年生だが、大学はお兄ちゃんのいる大学と決めている。
そんな憧れのお兄ちゃんを否定することのできない蛍斗は黙り込む。
奴は険しい表情で私を見つめる。
そして呟いた。
「タヌキ、お前まさか・・・池田兄ちゃんのこと好きなのか・・・?」
もちろん好きだ。
「や、や、矢恵には、池田兄ちゃんは100億年早いわッ!!鏡見てみろよ。身の程知らずッ!!」
・・・・・・
よく考えれば蛍斗の憧れ?ライバル?の兄ちゃんを出した私も悪いけど、そこまで言う必要はないと思う。
鏡見てみろとか・・・
キツイ顔立ち、ちょっと気にしているのに。
私はお腹もいっぱいになったし、蛍斗には腹をたてていたので帰ることにした。
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