ナルシー少年☆蛍斗くん


「してるよ?亜杜は面白いから。」

「面白い?」


「虐めてもからかっても悪戯してもいいリアクションしてくれるし、飽きない。
しかも、絶対に泣かないし。亜杜を1番構(カマ)っていると思う。」

はぁ・・・
そりゃあ嫌われるわな。


桃汰くんの中で

大事にする=構う

になってるみたいだ。


初めて"幼なじみが蛍斗で良かった"と心の底から思った。


亜杜、可哀相に・・・


幼なじみにもいろいろな事情があるようだ。

私は"へぇ"と曖昧な返事だけをして話しを変えた。




あれからどのくらい経ったのだろう。

出店を回っているうちにお腹いっぱいになっていた。
桃汰くんの"食べ過ぎ"って言葉も無視無視。


だが、あっちこち回ったにもかかわらず今だ兄ちゃんには会えていない。


歩くのにちょっと疲れてきた私達は人混みから離れたベンチに座った。



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